夢ノ宮市と白桜学院の属している世界を、夢ノ宮ワールドと呼びます。
夢ノ宮ワールドは、20XX年の近未来パラレルワールドです。
夢ノ宮市と白桜学院は日本の日本海側に面したとある県に存在します。
この時代、現代の延長線上ですが、生活スタイル自体はさほど変化はありません。いくつか便利な技術やアイテムが存在しますが、その恩恵を得る人々の文化的風習などにはさほど変化はありません。地球上に国家は存在し、民族はあり、そして問題も、紛争の火種も、そして、日常の平和もある。
しかし、現代と比べて、大きな変化もいくつかあります。
その一つは、『全知性体平等権保護条約』という国際宣言です。
もともとは宇宙探査で、あるいは出会うかもしれない、人間以外の知性的種族と、対等に接触しようという意図の元、いわばパフォーマンス的に出された宣言だったのですが、それの恩恵を受けるのは他星人ではありませんでした。
これにより、無数の日の光を浴びない、世界の影に身を潜めていた存在が、表舞台へとあがってきたのです。
いわゆる妖怪や亜人種、人工知性体までが次々と「異種知性体」として名乗り出て、そして世界的に大論争となったものの、それを国際的に認める、認めざる終えないものとなり、ついに先進国のほとんどでそれらが常識として受け入れられるようになりました。彼らは先の国際宣言のあとすぐに現れたわけでなく、その存在が明らかになったのは10年近くが過ぎてからである。ある異種族が某国から亡命、その際に彼の語った真実は、「私は国籍を持っていないが、『全知性体平等権保護条約』に基づいて、人権とそれを容認する国家への亡命を希望する」というものでした。それをきっかけとして、世界は大論争を経て、いくつかの国家の思惑と駆け引きにより、彼を初の条約批准者として認められ、それを皮切りに、ぽつぽつと同様の主張をするモノが現れ、現在ではほとんどの異種族が表舞台に現れています。
むろん、受け入れていない国も少なくはないが、概ね、理解はされているのが現状です。また、彼らの存在は、これまで「空想の産物」とされてきた様々な事象、技術に日の光を当てることともなり、無数の特殊技術、つまり魔法や超科学などについて見直され、異種族たちや亜空間に国を移したりしていた伝説の魔法国家・超科学文明などの技術支援や情報提供などにより、それらの理論などが体系化され、多くの魔法や超能力には素質が必要とは言え、それらを学び身につけることが可能となりました。
二つ目は、宇宙開発について、宇宙を掌握する特殊組織「統合軍」の設立です。
元々は宇宙開発を、様々な国家の権益で複雑化して、いろいろな弊害が生まれてしまったため、その処理のため、国連で国連宇宙軍というものを組織されたのが、紆余曲折を経て、宇宙軍に配備された軍人たちが、その本来所属していた国家から離脱し、自ら「統合軍」と呼称したものです。
その目的・活動は、宇宙をあらゆる国家の介入と権利の独占といった国家間の紛争の種を徹底的に排除し、すべての国家が望むならばその利益を享受できるように管理する目的で活動しています。
基本的に軍事装備は、宇宙戦用のものは各国で配備されたものを持ち逃げした感がありますが、一応その代金は各国に支払われたようです。本来どこの国家からも支援を受けられない以上長続きはしないと言われていましたが、国家でなく国際企業「竜ノ宮グループ」が支援を表明、それをきっかけに様々な企業が我先にと支援し始め、現在では宇宙装備はもとより、地上装備にも最新のものを配給されるようになりました。もっとも、各企業の開発兵器実験もかねていると思われます。
地球上の本部はスイスにありますが、本当の意味での活動拠点は宇宙上にあります。先のようないきさつで組織されたため、統合軍に所属するということはすなわち、すべての国家からその国籍や権利を失い、言うなれば「統合軍」という国籍になると言うことです。
とはいえ、宇宙開発のための作業は宇宙上だけで行えるわけではないため、多くの地上施設が存在し、その施設の防護も「統合軍」が行っています。いうなれば、統合軍の「大使館」といったところでしょうか。そのため、宇宙開発関連施設を守るための地上戦装備も一応有しています。
また各国のいくつかの学校と提携し、統合軍の新人教育を行っています。
もっとも優秀な士官は様々な国家の軍隊の人間などをヘッドハンティングしてきたりするのですが。なにしろ、もともとは様々な国家の軍隊の寄せ集めであったため、中核はすべて元どこかの国の優秀な軍人で、最近やっと学校出の新兵が配備されはじめたというところです。
夢ノ宮は近い将来に稼働する予定の、日本海軌道エレベータのベース港として、「統合軍」の基地が存在し、夢ノ宮の治安の一部を負っています。また白桜学院には統合軍の士官学校が存在します。
異種族テロや反異種族テロなどが起きるようになりましたが、それとて人間同士でやられていた歴史を思えばそう発生頻度も多くありません。また異種族は異種族で互助会を形成し、人類との関係悪化を防ぐ努力が行われており、また、彼らを受け入れる体制のある国家や都市に移住したりなどしているため、世界的には異種族は非常に珍しい存在です。
夢ノ宮はいろいろな条件が重なった結果、非常に異種族の定住比率が高い都市となっています。
日本も世界情勢の変化により、重火器や刀剣類の所持も許可制であるにせよ、かなり緩和されました。これは、異種族の力や特殊能力を考えれば、普通の武器など些細なものであること、そして自分のみを最後に守るモノは自分自身でしかあり得ないという認識から、徐々に浸透し、法改正された結果です。なお、同時にそれらによる犯罪は厳しく取り締まられ、異種族の特殊能力による犯罪、銃刀剣類を使用した犯罪、加えて魔法を使用した犯罪は重罪が課せられます。
むろん、特殊な能力所持者や魔法使い、銃刀剣類所持者は、きちんと国に登録され、事件があったときにまずチェックされることとなります。
夢ノ宮はいろいろな点でワールド設定的に特別なところなのです。それゆえの舞台といったところでしょう。
では、みなさま、夢ノ宮ワールドをお楽しみください。